徒然に想うこと

政治・経済・社会・科学などについて想うことを、徒然なるままに綴ります

ツバメのつがい

夢が描ける社会を次世代に

鳥のつがいは、仲が良い夫婦の例えとしてよく用いられます。結婚披露宴での祝辞では、「連理の翼」とか「比翼連理」とか、聴き慣れない言葉が出てきます。これは夫婦の仲睦まじさや深い愛情を表します。一般に、鳥のつがいは一生添い遂げると信じられているようです。


<ツバメの飛来>

春先になると、スイーっと軒先をかすめて飛ぶツバメの姿が目に止まるようになります。

子どもの頃、おじいちゃんやおばあちゃんから、

「ツバメさんは南の遠くの国からやって来るんだよ」

「ツバメさんは夫婦で一緒に仲良く子どもを育てるんだよ」

「ツバメさんは悪い虫を食べてくれるから、大事にしなきゃね」

「来年も来てちょうだいとお願いしようね」

と言うようなことを聞いたことが思い出されます。


<ツバメの巣>

「ツバメの巣を壊しちゃダメだよ」と言うこともよく聞かされました。ツバメは益鳥であり、繁殖期にツバメの巣を壊すことは、条例で禁止されています。


軒先に作られた巣は、基本的に再利用されます。もちろん、それまでなかった所に、新たに作られることもあります。泥に唾液を混ぜて積み上げていきますが、巣はつがいの共同作業で作り、約8日間で完成だそうです。そのような能力は、おそらく本能として備わっているのでしょう。自然の驚異です。


<ツバメのつがい>

先に述べましたように、ツバメも例外にもれず、つがいは一生添い遂げると信じられているようです。鳥の寿命は種によって大きく異なり、数年から50年に及ぶものも居ます。ただ、ツバメは1年から1年半と短命であることが知られてきました。

ということは、おじいちゃん、おばあちゃんから聞いた「来年も来てちょうだいとお願いしようね」というのは、無理なお願いということになります。というのも、翌年につがいの両方ともが生きている確率は数分の1になるからです。


ツバメのカップルは、おそらくその年に出会った個体同士で成立するのでしょう。また、ツバメは1シーズンに2、3回繁殖することもありますが、その繁殖ごとにパートナーを変えるという可能性も考えられます。


<ツバメの子>

ツバメは1回の繁殖で、4-6羽の子どもを育てるようです。近年、DNAを用いた親子判定の技術が急速に発達しました。この技術はヒトに対してだけでなく、色んな種の動物にも応用できます。



ある研究では、一つの巣の中で育っているひなの中で、実際に子育てしているつがいの子は、20%程度であることが報告されました。つまり、ひなのお母さんは間違いないのですが、子育てに勤しんでいるお父さんは、必ずしも実の父親ではないのです。


<ツバメのお母さん>

ツバメは、1日に1個ずつ卵を産みます。ということは、ツバメのお母さんは、毎日のように異なるパートナーと交尾して産卵しているということになります。お母さんは文字通り「若い燕」を求めて飛び回っているようです。


ちょっと話はそれますが、ツバメにも、モテるオスとそうでないオスが居るとのこと。ツバメの場合、モテる条件は「尻尾が長い」ことのようです。ツバメの社会でもルッキズムが蔓延しているのでしょうか・・・。


自然界では、細菌や寄生虫の感染は当たり前です。そのような感染は身体にダメージを与えます。つまり尻尾が長いということは、細菌や寄生虫の感染が無い(少ない)ということなのです。


<ツバメのお父さん>

産卵された卵を温め、孵化したひなに給餌する役割の比重は、お父さんツバメの方が高いという話もあります。お父さんツバメが巣で卵を温めているとき、お母さんツバメは外で「新しい恋」を求めて飛び回っているようなのです。ひなが孵化したら、お父さんツバメはそれこそ寝食を忘れて育児に専念するとのことです。ツバメのお父さんは健気です。


<生物の多様性>

ついツバメのお父さんに同情してしまいましたが😅、これまで述べたようなツバメの生態は、生物の多様性ということを考えると、実は合理的なのです。できるだけ多様な遺伝子の組み合わせが存在することは、「種の力」を担保するために重要なことです。ツバメのお母さんも「種の存続」のために頑張っていたのでした。